2004年12月08日

『大極宮3』

『大極宮3 コゼニ好きの野望篇』大沢在昌 京極夏彦 宮部みゆき/角川書店

これは三人の作家の公式HP「大極宮」から、週に一度更新される作家本人のコーナーを集めて本にしたものです。ここのHPは毎週チェックしているんですが、この本は2002年10月から2003年10月までのものを収録ということで、少し前の内容になるので結構忘れているもんですね。

それと三人の語り下ろしというか対談が随所に入っていて、だいぶ読み応えがあります。

これを読んで作家さんは執筆活動以外に、普段はこんな風に過ごしているんだなぁと思ったり、忙しい中でも結構色んな行事をこなしてるのねぇと感心してみたり。

この本で一番のおまけ?といえば、架空連載小説でしょう。それぞれが「罪と罰」というタイトルで連載の110回、120回、130回を書くという趣向。短い文章ながらもその作家さんの雰囲気が味わえます。欲を言えば各自1ページなんて言わず、もっと長く読みたかったなぁ。
posted by 花緒鈴 at 18:58| Comment(2) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月27日

『電車男』を読んで

『電車男』中野独人 新潮社

今話題の本ということで本屋で手に取ったものの、中を見た瞬間「何だこれ!」って思いました。インターネットの掲示板そのままの表記で、2ちゃんねるを見たことがない人にはこれは読めないでしょ〜ってのが第一印象。たぶんマンガを読んだことがない人が、初めてマンガを読もうとして、読み方が分からないと思うのと一緒で、私もこの本の読み方が分からないと思いましたよ。
そんなんで自分では買おうとは思わなかったんですが、ダンナが買ってきたので読んでみることに。

掲示板そのまんまの文章なので色んな人の発言が並んでいるんですが、網掛けで色の付いている部分が電車男本人の発言と教えてもらって読み出すと、不思議なもので一気に読めちゃいました!
確かに読み始めは2ちゃんねる特有の表記がわかりにくいんですが、カバーをはずした表紙部分に用語説明があり、辞書を引くようにそれを見ながら何とか読めるようになっているんです。

ストーリーは女性と付き合ったことのない男性(電車男)が、電車内で絡んでいた酔っぱらいを制止したことが縁で知り合った女性(エルメス)と、初めて付き合えるようになるのかどうか?の過程が、インターネットの掲示板の中で色々な人から様々な助言を受けつつ、彼女とのやりとりが報告されていくという、純愛物?ということになるのでしょうか?

人混みの中ではぐれないように彼女が電車男の手首を掴んできた、な〜んて報告にもドキドキしながら、自分が電車男の立場になったかのように、彼女の言動に一喜一憂して一気に読んじゃいました。それでいて、電車男の報告を受けている2ちゃんねるの住人の一人のように、それで!それで!と続きが気になったり(^_^;)

これはやっぱりリアルタイムで進む掲示板という特殊な状況が、うまく生かされていているなぁと感心。ただ掲示板のやりとりが全て収録されているわけではなく、カットされている部分もずいぶんあるようで、前後のやりとりがうまくつながらなかったりという場面もありました。まあ、電車男の発言を中心に主要な発言だけでもかなりの量なので、これはしょうがないのかもしれませんが…。

よくは知らないんですが、そもそも2ちゃんねるはテーマごとに掲示板がなりたっているんですよね?ですからこの話もどこかのテーマの掲示板からなんでしょうけど、その辺の記述もないんですよね。話の流れから独身男性が集まる掲示板なのかなぁ?とは思うんですけど。

ストーリーも電車男の発言と、2ちゃんねるの住人のあおりや推測や励ましなどの発言のみからなりたっているので、だいぶ自分の想像で補って読まなきゃいけない部分もあります。登場人物の名前にいたっては、主人公は電車男、彼女はエルメス、その他もみんな匿名だし。
まるで何巻も続くマンガを、途中から読み出した感じに似ています。ですから読む人によって、補完されている部分が違ってくるのかもしれません。

それでもそんなことは気にならず、個々のエピソードが私たち夫婦が出会った頃みたい(^_^;)と思いながら、これが作り話でもホントにあったことでもどちらでもいいかもと、一気に最後まで読ませてしまう不思議な魅力のある作品でした。
posted by 花緒鈴 at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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